2008年、American Journal of Preventive Medicine に非常に興味深い研究結果が発表されました。全く同じダイエット法を実践していても、食事記録をつけていた人たちは、つけていない人たちに比べて2倍もの体重を落としていたのです。食べたものを単純に記録するだけ。実はこれが、私たちにとって最も効果的なダイエットツールのひとつなのです。
なぜ効果的なのか:習慣のループ
なぜこれほどまでに効果があるのでしょうか?答えは「習慣」にあります。心理学者のチャールズ・デュヒッグは、習慣は「きっかけ・ルーティン・報酬」の3つの要素、つまり「習慣のループ」で構成されていると説明しています。食事の記録を特定のきっかけ(例:「箸を置いたらすぐに記録する」など)と結びつけることで、それを長期的に続けられる可能性が劇的に高まります。ループは次のように機能します。
- きっかけ:食事の席につく、またはカロリーカウンターから通知を受け取る。
- ルーティン:食事内容を記録する。
- 報酬:1日の合計カロリーが更新され、自分自身をコントロールできているという充実感を得る。
これを十分な期間続けると、次第に無意識に行えるようになります。しかし、本当の魔法は「観察者効果」にあります。おかわりのクッキーやポテトチップスをひと握り食べただけでも、それをアプリに記録しなければならないと分かっていれば、食べる直前にふと立ち止まるはずです。厳しいルールや強靭な意志の力があるからではなく、ただ純粋に自分の食事に気をつけているからこそ、より良い食事の選択ができるようになっていくのです。
日常生活における観察者効果
考えてみてください。量子物理学では、何かを「観察する」という行為そのものが、その対象の振る舞いを変化させるという事実があります。これと同じことが、私たちの食事にも当てはまります。これまでの研究で、自分の食べるものを記録している人は、次のようになる傾向があることが分かっています。
- 特別な努力をしなくても、摂取カロリーが約15%減少する
- ジャンクフードの代わりに、自然と栄養価の高い食品を選ぶようになる
- 無意識の間食が最大で40%も減る
これは、自分を責めたり罪悪感を抱えたりすることとは全く異なります。純粋な「気づき」なのです。多くの人は、自分がどれだけ食べているかを驚くほど低く(時には40〜50%も!)見積もっています。シンプルな食事日記こそがその認識のズレを埋めてくれるのです。自分の食生活のリアルな現実を目の当たりにすれば、おのずと日々より良い選択ができるようになります。
記録を続けられない理由(と、挫折しないためのコツ)
現実的な話をしましょう。多くの人が食事記録を途中でやめてしまう一番の理由は何でしょうか?それは「面倒くさいから」です。一つ一つの食材を検索して、すべてを測って、手入力する。それは「摩擦」であり、わずかな摩擦は習慣をすぐに消し去ってしまいます。必要なのは、毎朝のやる気やモチベーションではありません。記録する時の摩擦を徹底的に減らすことなのです。
1. 2分以内(あるいはそれ以下)で終わるようにする
もし一食分の記録に2分以上かかっているなら、いずれ必ず挫折します。写真さえ撮れば、あとは裏で面倒な計算を全て片付けてくれるような優れたトラッカーアプリを使いましょう。サッと写真をパシャリと撮って、短いメモを残す。それで終わりです。
2. すでにある習慣と結びつけてリマインダーをセットする
自分の記憶力に頼ってはいけません。食事に関連する行動に紐づけてリマインダーを設定しましょう。「コップをテーブルに置いた後、私が食べたものを記録する」といった具体的な合図は、「今日は全部記録しよう」といった曖昧な決意よりも2〜3倍も効果的です。なぜ効果的かというと、「いつ」記録するかをわざわざ頭で考える必要がなくなるからです。
3. 完璧を求めない
毎日100%完璧に記録する必要は全くありません。7日間完璧にやろうとして挫折してしまうよりも、週に5日、ある程度正確に記録を続けることのほうが、レコーディングダイエットにおいてはよほど価値があります。精度よりも継続のほうがずっと大切です。たとえ大雑把でも、記録を続けることを優先してください。
4. 単なる数字ではなく、「パターン」を見つける
食事日記をつける最大のメリットは、ダイエットアプリに表示されるカロリーの合計値そのものではありません。時間の経過ととも見えてくる「パターン」にこそ意味があるのです。どんな食事が何時間もエネルギーを保ってくれて、どんな食事がすぐに眠気を誘うのかに気づき始めるでしょう。ストレスを感じている日ほど間食が増えることや、いつも圧倒的にタンパク質が不足していることに気づくかもしれません。こうした一つひとつの情報は、ダイエットにとってまさに純金のような価値があります。
キーストーン・ハビット(要の習慣)
食事を記録することは、デュヒッグが呼ぶところの「キーストーン・ハビット(要の習慣)」です。これは、ドミノ倒しのように次々と別の良い習慣を連鎖して引き起こします。食事を継続して記録し始めた人は、多くの場合、次のようなポジティブな変化を経験します。
- 食べるための「余裕」を稼ぐために、エクササイズや運動量が増える
- 夜遅くの過食を防ぐことで、睡眠の質が向上する
- アプリの通知をきっかけに、水分補給の回数が増える
- カロリーの高い外食が減り、自炊の頻度が増える
たった一つの小さな習慣が、生活全体にいくつものポジティブな変化をもたらすのです。
cAIlories が食事記録を驚くほど簡単にする方法
cAIlories は、まさにこれを実現するために開発されました。お皿の写真をさっと撮るだけで、トラッカーのAIがあなたの代わりに全ての面倒な処理を行います(一つひとつの食材を必死に入力したり、測ったり、検索したりする必要はもうありません)。さらに、絶妙なタイミングでスマートな通知を送ってくれるため、記録をうっかり忘れる心配もありません。これまで苦痛だった作業が、まるであなただけの魔法の力のように感じられるはずです。
最初は小さく、でも「今すぐ」始める
明日から無理に食事スタイルをガラリと変えようとする必要はありません。ただ、日々の生活にほんの少しだけ注意を向けることから始めましょう。一番簡単な食事の記録を、たった1回だけ行ってみてください。そして、習慣のループにすべてを委ねてみましょう。
App Storeから cAIlories をダウンロードして、自分の食生活にどんな発見があるか試してみてください。